敵連合のボス死柄木の本名は志村転弧。オールフォーワンの先代志村菜奈の孫であることは作中で判明している。では、その死柄木の過去はどんなものなのだろうか。その顔の手は父親のものなのだろうか。
志村菜奈の孫
死柄木は志村菜奈の孫、志村転弧だ。では、なぜオールフォーワン先代の血族がワンフォーオールの手駒になったのだろうか。ワンフォーオールの血族だったら、オールマイトが気づくはず。それには大きく、志村奈々が子供を里子に出している事、志村転弧の父の死が関係している。
志村菜奈は子供を里子に出している。
志村菜奈は夫を殺されたため、ヒーロー社会に関わらせまいと自分の子供を里子に出している。
はぜ
「里子に出しているのに、志村転弧の苗字は”志村”のままなのか?」ということだ。
これに関して、様々なサイトで調べてみた。その結果、以下の事がわかった。
①里親制度の場合は、戸籍が変わるわけではない。
②養子縁組をすると、育て親の苗字になる。
③もう実親の元へ戻る事がない場合、基本的には養子縁組をする。
ということである。つまり、志村菜奈の子供の場合、志村はオールフォーワンに殺されており、夫も殺されている。そのため、子供が志村菜奈夫妻の元へ帰ることはなかったはずだ。それにも関わらず、志村転弧は祖母の苗字のままである。志村転弧の父親は、何故か実親の苗字であり続けたのだ。
死柄木の父親
死柄木は、顔に付けている手を落とされると、「お父さん」と言って喚きだす。そして、手を元に戻すとそれは止まり、普通の状態に戻る。様々なサイトでこの手はお父さんの手なのではないか、と考察されている。しかし、死んだ人の手が長期間そのままであることはあり得ない。父親の手をモチーフにして作ったものである可能性はあるが、なぜ父親の手を顔につけなくてはいけないのだろうか。
そして、なぜ、死柄木は「ごめんなさい」と謝るのだろうか。私は、「死柄木虐待説」があると思う。
はぜ
これは11巻の扉絵となっているものだ。死柄木とそれを襲っているような手。私は、この手から暴力性を感じる。首を絞めている手もあれば、抑えつけている手、死柄木の手を剥がそうとする手。作者・堀越先生はこういう絵をなんの意味もなく書かない。これは、死柄木が父親から虐待されていた隠喩なのではないだろうか。
そうすると、次のシーンも意味が変わってくる。
このシーン、素直に見れば、父親を殺された死柄木がオールフォーワンに見つけられ、保護されるシーンに見える。しかし、先ほどの虐待説に順ずれば、父親に虐待されている死柄木を父親から助けたシーンと見えないだろうか。さらに、そう考えれば、次の疑惑が湧いてくる。
死柄木は父を殺したのではないか。
はぜ
オールマイトが救えなかった人間がいないかのように笑っていること指している台詞だが、上部には父親の物と思える手と血だらけの死柄木と思われる人物がいる。
初見の時は父親を殺され、呆然としている死柄木の姿であると思っていたが、これは、死柄木が父親を殺した後の状況とも捉えられないだろうか。そして、「ごめんなさい」という台詞には、殺してごめんなさい、という意味が込められているのではないか。
まとめ
以上のことから、死柄木の曲がった性格は、虐待による物なのではないか、という説がある程度信憑性があることがわかるだろう。死柄木の過去が明かされるのが待ち遠しい。
はぜ