はぜ
今回は、ヒロアカという作品全体の深い部分について、考察します。それは、ヒロアカの要所要所で意味深く描写される『親と子』についてです。
すこし小難しい内容ですので、体力があるときに読んでくれればと思います。
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『親と子』を表すの重要シーン
ヒロアカという作品では、主要キャラクターが親との関係に大きく左右されているのです。
それぞれ見て行きましょう。
最強の男の子 轟焦凍
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轟は家庭内暴力を行う父親を忌み嫌い、母親との関係も壊れています。
さらに、『個性婚』という概念は、まさに現代の「デザイナーベビー問題」と重なる部分が大いにありますね。
そして、親の夢を無理やり背負わされるということも、よくある話です。
デザイナーベビー(designer baby)とは、受精卵の段階で遺伝子操作を行うことによって、親が望む外見や体力・知力等を持たせた子供の総称。(Wikipediaより)
このように、轟は親との問題を抱えています。
敵連合のボス 死柄木弔
死柄木の実親は7代目ワンフォーオール継承者の志村菜奈です。しかし、小さいうちに里子に出され、死柄木は本当の親を知りません。
さらに、作中の描写では里子に出された先で虐待に会っていた様子が見られます。顔についている手が外れた際には、うわごとのように「お父さん..お父さん…」と呟きます。
このように、敵対勢力のボスも親子関係に問題を抱えているわけです。
ヤクザの若頭 治崎廻
死穢八斎會の若頭。実親は不明で、孤児院に預けられていたような描写がある。自分を拾ってくれた組長を親のように慕っていた。
こちらも強敵でしたね。ヒロアカの中でも長編だった死穢八斎會編のボスも、親子関係に問題を抱えていました。そして、組織のボスに「拾われる」という点は死柄木にすごく似ていませんか?
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主人公 緑谷出久
問題、というほど大きなものではありませんが、 「親が子を信じてあげられない」という状態になっていました。
1話から描写されていますが、「ヒーローになれるかな?」とデクは尋ね、母は「ごめんね…」と応えます。小さい子にはかなりの挫折体験ですよね。
さらに、母親のキャラクター説明で、デクを個性持ちで産んであげられなかった後ろめたさで太ってしまった、という説明があります。どうしようもできない親の苦しみと子の苦しみを表している気がします。
ニートYouYuber ジェントル・クリミナル
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こちらは、ジェントルが事故でヒーローを怪我させてしまい、家庭が崩壊します。親はジェントルにリモコンを投げています。
はぜ
こういう悲惨な境遇がジェントルを嫌いになれないわけですよね。
▼ 過去のジェントルについての記事 ▼
【ヒロアカ】なぜ『ジェントル・クリミナル』は憎めないのか【キャラ紹介】親なら最後まで味方でいてあげてほしいと思うものです。
居場所がなくなったジェントルは放浪していました。ニートですね。これは、現代でもある話のような気がします。「家庭問題」といったもう少し幅の広い問題になっていますね。
なぜ、親子関係の描写が多いのか?
親子関係の描写が多い理由として、個性が親から受け継がれるものである、という面が大きいと思います。オールマイトも言及している場面がありますが、親から個性を受け継がれることで逆に自分のアイデンティティを見失う、という問題が超人社会ではあるようです。
しかし、なぜ堀越先生が親子関係も押し出しているのかは分かりません。過去作品の戦星のバルジでも、主人公アストロは孤児を大量に養っています。
そういう意味では、「家族関係」について何か特別な思いがあるのかもしれせん。そういった堀越先生の内面にも触れて見たかったのですが、参考資料がありません。笑
読み切りデビュー作の「テンコ」の情報等があればいいのですが、見当たらないんですよね。笑 よかったら情報ください。