私が一番不幸だった。 この迷路に出口がないことを 知っていたから。 次に彼が不幸だった。 この迷路に出口がないことを 知らなかったから。 その他大勢は不幸ではなかった。 自分たちが迷路の中にいることすら 知らなかったから。
井戸の外の世界が知りたくて。 私は井戸の底から 這い上がろうとしました。 井戸の外の世界が知りたくて。 何度、滑り落ちて 全身を打ち付けても上り続けました。 でも気付きました。 上れば上るほどに落ちる時の高さと 痛みは増すのです。