この英霊サマは、よりにもよって 戦場が地獄よりもましなものだと思ってる。 冗談じゃない、あれは、正真正銘の地獄だ。 戦場に希望なんてない。あるのは掛け値無しの絶望だけ。 敗者の痛みの上にしか成り立たない。 勝利という名の罪過(ざいか)だけだ。 なのに人類は、その真実に気付かない。 いつの時代も、勇猛果敢な英雄サマが、 華やかな武勇談で人の目をくらませ 血を流すことの邪悪さを認めようとしないからだ。 人間の本質は石器時代から一歩も前に進んじゃいない。
いつだって期待して、いつも勘違いして、いつからか希望を持つのはやめた。 訓練されたぼっちは二度も同じ手に引っかかったりしない。 百戦錬磨の強者。負けることに関しては俺が最強。 だから、いつまでも、優しい女の子は嫌いだ。
神様なんて、結局の所は都合のいい時にだけ存在すればいい存在というのが普通よね。神様を信じることで、個人の能力を超えた先にある『何か』を引き出す助けになるのなら、信仰にも深い意味がある。いつだって神様が見てくださっている。だから頑張れる。そして精一杯頑張った人間とは、例えその結果がどうであれ、後悔はしないものよ。それが、神様というシステム。
お互いに期待しない、期待されないというのは結構楽でいい関係なんじゃないかと俺は思う。 まぁ、ほら。パンドラちゃんが持ってた箱の中にはあらゆる災厄と一緒に希望が詰まってたっていうじゃんか。あれだよあれ。希望も災厄ってことだ。