誰かは知らないが、人の面の傷痕をそんな風に言うのは、正直どうよ?下手に気を遣い過ぎるってのもあれだが、今の言葉にゃ悪意以外のなんにも感じないぞ?ま、まさか悪意以外を感じられない俺が不感症だとでも言うつもりか……?
ああ、ああ、なるほど、俺は頭がおかしいらしい。だからこんなに楽しいんだろうなぁ?確かに頭がおかしいなら、どうしようも無く狂った状況を「それが当然である」として楽しむ事ができるだろう。壊れ方によっちゃ、悲しい事も全て楽しむ事ができるだろう。
つまり俺達は……日光に背を向け、ここに逃げ込んだわけだ!悲しい!なんて悲しい話なんだ!太陽は俺たちに喧嘩を売るつもりなど毛頭ないだろう!太陽という巨大な存在に比べれば俺達人間など宇宙に浮かぶ塵芥に過ぎない!
……やばい、楽しくなってきた。俺最低?最低ってすごいよな。いくらでも上を見上げ放題だし、自分より下に人がいないとなると、追い越される心配が無い!これ以上堕落する心配がないなんて、神は俺をこれ以上楽しくしてどうする気だ!?
俺はこの悲しみを自分の内に止めておくことが出来ないからだ。だからせめて、他者にこの悲しみを打ち明けて「俺の悲しみを知ってくれている仲間がいる」という気分になりたい。それは弱い弱い弱い人間としては極自然な行為だろう……。