あの時俺は迷わなかった。迷えば死ぬと思っていた。こんなところで終わりたくない。絶対に、死ぬ訳にはいかない。それだけで頭がいっぱいだった。俺にはやり残したことがある。どうあっても始末をつけなきゃならない役目が!
いいか風見よ、貴様には才能がある。貴様がこれまでどんな生き方をして来たかなど関係ない、誰も気にせん!だが、やれることがあるのなら、やらない奴はクズだ!だが、そのクズという称号を嫌い、そこから這い上がろうとする奴は、もうクズではない!
痛いか!? そりゃ痛いだろうなぁ!でもお前の親父が教えたかったのは、痛みや死への恐怖なんかじゃない!!そのボールを使った、『野球』というゲームの楽しさだろうが!!—-おまえに野球の素晴らしさとその勇気を残しておきたかったからだろ!!