俺は知ってる。沙織さんはアテナとして生まれた宿命に立ち向かい、人々を守るために自分を犠牲にして戦ってきた。 強情で、負けん気が強くて、でも誰よりも苦しむ人々に胸を痛め、聖闘士が倒れるたびに悲しんでいた。 涙を流すことはなくても心の中で泣いている。そういう人だ。 俺はもう、この人を悲しませたくない。