占いはね、占う者と占われる者との間で行われるやり取りだから、知りたいと思っている者には、占い師は答えなくてはならない。己の出来る限り全ての力で。決して疎かにしてはならない。どの職業でもそれは同じことだけど、目に見えない、形に出来ないことだからって嘘をついたり、できないことをさも出来るように振舞うのは、本気の相手にも失礼よ。いいえ、占いは他人の生きる方向―生き筋に関わることだから、失礼だけではすまないわね。だからこそ、本物の占い師は、自分の占いに自分の生き筋をかける
母は敵などと、ガルドスの言葉を素直に受け止めていた幼き日とは違う。ガルドス、お前の武器はその知性と言葉だ。巧みな嘘で人を操り、お前自身は手を汚さず、一切の証拠を残さぬ。ゆえに余は、お前を傍に置き続けた。お前の正体と狙いを知るためだ