誰かの顔色を窺って、ご機嫌とって、連絡を欠かさず、話を合わせて、それでようやく繋ぎとめられる友情など、そんな物は友情じゃない。その煩わしい過程を青春と呼ぶのなら俺はそんな物いらない。 ぬるいコミュニティで楽しそうに振る舞うなど自己満足となんら変わらない。そんなものは欺瞞だ。唾棄すべき悪だ。
青春のまっただ中にいる彼らは、敗北すら素敵な思い出に変えて見せる。いざこざももめ事も悩める青春のひと時と化して見せる。 彼らの持つ、青春フィルターを通してみれば世界は変わるのだ。 だとすれば、俺のこの青春時代もラブコメ色に染まるのかもしれない。間違ってなどいないのかもしれない。 なら、俺が今いるこの場所もいつか輝いて見えるのだろうか。死んだ魚のように腐った目でも。