近藤勲

たとえこの先に何があろうとも…
たとえゆく先が地獄であろうとも…
俺はもう二度とこの手を離さんぞ

悪いがこれでも俺も芋流派の大将だ…
それなりの自負ってもんがある…
大将に仲間全員ひれ伏させる強さなんていらねェ
仲間一人護れる強さがありゃ充分だ
仲間を殴ったお前より一発も殴り返せずのびてる奴の方が向いてるぜ…

ここにいる連中はお前と同じロクでもねェ
はみ出し者や落ちこぼればかりだ　それでも…ちょっとでもマシなモンになろうと
もがいてあがいて　はいつくばりながら進んだ先で俺達は出会った
男の居場所ってのはそーいうもんなんじゃねーのか
レールの上に用意されてたり 黙っていて転がりこんでくるものでもねェ
前に進もうとただただ眼前の茨を斬りひらきできた足跡
そいつがいつの間にか誰かと重なり大きな道になる
てめーらで斬りひらいた　その道こそが　志同じくする仲間とゆくその道こそが
俺にとっちゃ…俺達にとっちゃ居場所って奴だよ

てめーの道はてめーで選べばいい
だが居場所がほしいなら…　誰かに認められたいなら…
その足だけは止めるなよ
いつだって　茨をゆく　バラガキであれ

運命よ
我は天道など歩むつもりは毛頭ない
我がゆくはこの恋路そして愛する人々を護らんとする
この侍道だけだァァァ！！

フッ 言ったな、 ならば俺の背中、最後まで護ってみろトシ
俺が死なねェ限り お前も俺をおいて死ぬ事はあるめェな

今は・・・信じて待つしかないさ
お妙さん達がこの悲しみを乗り越え・・・
それでも前を見て歩きだせる日が来るのを
俺達に出来るのはその時　彼等を笑って迎える事さ

目の前で命狙われてる奴がいたら
いい奴だろーが悪い奴だろーが手ェ差し伸べる
それが人間のあるべき姿ってもんだよ

指導も通せねェってんなら　俺ァそんな形だけの侍いらねェ　
攘夷志士の方がまだマシだぜ

刀は武士の魂だ　そんなヒョロいもん使ってるなんざ　てめーらの魂もしれたもんだな

本当に腕の立つ者はな、相手にとって受けづらい技も受けやすい技も自在に操るものだ

俺達には…
葬式も別れの言葉もいらねェな
交わすのはこの盃だけで充分だ

他の誰を疑おうとかまわんが
仲間を疑うことは俺が許さん