一夜の夢を見るが吉原 そこで交わされる約束は月が消えると共に忘れるが吉原の理 それを今さら掘り起こし男の元へ押しかけるなど野暮もいい所じゃ だが来る事のありんせん男を待ち続け 吉原から出ることもなく その一生を閉じようとしている鈴蘭を捨て置くこともわっちにはできんせん 遊女(おんな)は吉原のために一生を尽くした ならば吉原も遊女(おんな)がために尽くそう かりそめの夢しか見せぬ月はもういらぬ 最後の月は 夢を叶えんがため昇る
今さら何があっても最低の地位がゆらぐようなヤワな男ではありんせん 元々ああいう男さ 女を幸せにできる類ではありんせん どんな敵を前にしてもどんな状況にあっても けっして誰のものにもなりんせん そのくせ誰の心にもいつの間にかいる そういう最低な男さ