岡崎朋也

自分も一緒に楽しもうとするだけで。見たことのない世界が見えた気がした。

苦しい時でも、こいつが笑っていてくれたら、俺はそれだけで救われる。だから、俺は、こいつに…──ひとりで泣いてるぐらいだったらさ…俺を呼べよ。 そう告げた。

人間とはみんな利己的で、家族は暗黙の了解で、そのことに目を瞑りながら、暮らしている。そう思っていた。なのに･･･あの家に居ると、とても落ち着いてしまう。もうどこにも行きたくなくなってしまう。

不恰好に暮らしてきた俺たち。そんな奴らでも、辿り着くことができる。道は違っても…同じ高みに

俺たちの挫折した思いもお前が全部背負ってんだよ!

おまえは馬鹿だろうけどさ…でもそれでいいと思う。俺もそうだからな。同じ場所に居る。世渡りがうまかったり、巧妙に駆け引きする奴らから遠い場所だ

開いてしまった空白ごと、忘れてしまった年月ごとうんと優しくしてやるんだ

努力すれば、すべての物事はゆっくりでも、いい方向に進んでいく。限界だと悟ってしまえば、どこまでも落ちていく。

あんた、何もかもを犠牲にして、こうして俺を育ててくれたじゃないか 俺みたいな出来の悪い息子のために、人生丸ごと使ってくれたんだ！ もう十分だよ！

赤の他人ことまで考えない。それはそいつの知り合いに任せておく。 でも、俺が知っている奴が苦しんでいるなら、なんとかしてやりたい