ワシにはお前がワシの将棋人生に幕を引きにきた死神のようにしか思えんかった ただただ恐ろしくて またそう思うおのれが情けなった しかし あの対局室で正座するお前を見た瞬間――思った 何と若く美しい死神なのであろうかと
勝った時には叫び出す程嬉しくて 負ければ内臓を泥靴で踏みにじられるように苦しくて 世界中に「生きる価値無し」と言われたような気持ちにさいなまれた・・ なのにっ・・それなのに辞められなかったこの気持ちを そんなっ 言葉なんぞで言い表せるものかっっ