あの頃あたしには譲れない夢があって。おかげで沢山のものを手に入れ、かけがえのないものを失くした。だけどがむしゃらに生きたから、もう何も悔やんでなどいない。ただ、心残りはひとつだけ。ねえ、ハチ。あんた今、笑ってる?
あんたが誰とどんな人生を歩こうと、あんたが幸せであればそれでいい。心の底からそう思えるような出来た人間にはなれなくても、あんたの瞳に映るあたしは、強くしなやかでありたかった。出来すぎた漫画のヒーローみたいにね。