確かに。我々は情報屋。情報を通貨とし、金を買う。我々にとっては情報こそが社会の基準にして絶対的価値観。その値打ちは株価の相場以上に激しく変動し、取引相手によって七色に輝きを変化させる。そんなものしか取り扱えない難儀な商売です。
キャロル、幻想から解放されるのだ、物語に始まりがあり、終りがあるという幻想を捨てるのだ。物語には始まりなど無い。終りも無い。あるのはただ、人と人が繋がり、作用し合い、影響し拡散してゆく生の在り様だけなのだ。物語に終りなどあってはならないのだよ。
主役っぽいからです!/フハハハ、なるほど、主役っぽい。確かにそうかもしれん。だがな、キャロル、誰を中心に添えるかで、同じ事件は千変万化に姿を変える。つまり、事件は一つけれど物語は、それに関わった人の数だけあるのだ。キャロル、この物語の始まりは我々であってもおかしくはないという事だよ。(キャロル/副社長)
確かに我々の仕事は人々に真実を伝える事だ。だが情報を手にした瞬間、それが真実であろうと、偽りであろうと、考える事をやめてはならない。情報の真偽を見極めただけで終らせてはならないのさ…それが情報を人に引き渡す物の責任/でも、考えるって何を?考えたからって真実が変わる訳でもないですよね?/いやぁ…変わるさ~(副社長/キャロル)