おまえもホラーというものが解っていない。人を恐怖させる物の条件は三つ必要だって知っているか?一つ、怪物は言葉を喋ってはならない。二つ、怪物は正体不明でなければいけない。三つ怪物は、不死身でなければ意味がない
学んだ結果で資格を得るんじゃなくて、資格を得るために学んでいる。だから資格を手に入れた時点で、学んだ事の意味が消えちゃうの。これだけ学びましたっていう証拠に成り下がった資格なんて、契約書みたいなものでしょう。意味による堂々巡りの鬩ぎ合いよね。
いまの人間は分かれすぎて、すでに計測不可能なほどの属性と系統になってしまった。だから大元に到達できない。 属性と系統。言い換えれば宿命か。数式と同じで、そういう能力と役割を与えられて、そうした結果を出す人生。そうした結果しか出せない人生。当たり前だ、設計図にはそういった能力しか付与されていないんだから。それを宿命だというのなら宿命だろうさ。霊長わたしたちは複雑になりすぎた。万能を求めるあまり、色々な能力を付属させた結果だ。人間を構成する情報である遺伝子は、たった四種類の塩基に過ぎない。けれどその四種類の塩基が折り重ねる単純な螺旋が、計測不可能になる、なんていう矛盾に陥ってしまった。故に解析することはできない。大元に辿り着くことは、現代の人間からでは不可能なんだ。