誰もが恋愛を、友情を賛美する。けれど、それは勝ち得た者だけだ。 敗亡し、失ってしまった者の嘆きを誰も聞こうとはしない。 ならば俺が聞こう。 高らかに歌い上げよう。 これは曳かれ者の小唄。 誰かに惹かれても引かれても強がることしかできない者への鎮魂歌だ。
掌をね。夜の仕事場で懐中電灯で照らして見てたのよ。そしたら何か血の色だけが元気そうなんだよね。だからもとは〈掌を懐中電灯に透かしてみれば〉だったんだけれどもね。懐中電灯じゃおかしいんで、太陽に変えたんですよ(笑)