いい加減我慢ならねぇ。腰抜けの幕府も、邪魔くせぇてめーら鬼も。女一人守れねぇこの俺も。まがいものだと?それがどうした。俺たちは今までも散々武士のまがい物として扱われてきたんだ。だけどな、何があっても信念だけは曲げねぇ。まがいものだろうがなんだろうが、貫きゃ誠になるはずだ!
孤高であることは強い。繋がりを持たないということは守るべきものを持たないということだ。守るべきもの、それは言い換えれば弱点にほかならない。かのギリシャの英雄アキレスにも、最強の僧兵武蔵坊弁慶にも弱点があったからこそ敗れた。きっと彼らは弱点さえなければ歴史に勝利者として名を刻んだはずである。 したがって弱点のない、守るべきものを持たない、人との繋がりを持たない者こそは最強。 つまり、俺、最強ということである。
人は生まれながらに弱さを抱えて生まれてくる生き物です。それは人格的な欠陥かもしれない。容姿であるかもしれない。生まれた境遇かもしれない。誰もがそれぞれ折り合いのつかない自分を抱え苦しんで生きている。残念ながらその苦しみから逃れる術はありません。ですが抗う事に苦しむ事もできる。自分の弱さに翻弄され苦しむだけではない。自分の弱さと向き合い、抗い、変わろうと苦しむ事もできる。