詰め将棋は出ている書籍を片っ端から解きまくり 熱が出る程読み込んだ ――休みは全て将棋会館や父の紹介の将棋道場で朝から晩まで対局をした 指して 指して 指して 指し続けて ――指して指して指して ――そして僕は 今 ここにいる
細い銀の糸みたいな雨の中 走りながら ――僕は 二海堂の棋譜を思い出していた 「迷い」「ためらい」「ひるみながら」も それでも「自分の今まで」を信じて「憧れの地」目指して 火の玉みたいに突き進む・・・ まるで一篇の 冒険小説のようだった